花澤勇作
花泽勇作, 花沢勇作, Yuusaku Hanazawa
故人。第七師団歩兵第27聯隊。陸軍少尉で聯隊旗手。花沢幸次郎の息子で尾形の腹違いの弟。尾形の回想に登場するが常に目元が隠されており、詳しい顔立ちは不明。「ひとりっ子育ちのため、ずっと兄弟が欲しかった」と語り、異母兄の尾形が第七師団入隊後に初めて対面した際には、階級が下である尾形を「兄様」と呼び慕った。そうした立ち振る舞いを含め尾形は「高潔な人物」「眉目秀麗、成績優秀、品行方正」と評した。 聯隊旗手に選ばれたのは見た目や能力、人柄に優れていたことに加え、弾が當たらないというゲン擔ぎの意味がある童貞であったためである。日露戦爭への出征前に尾形から遊廓 で童貞を捨てるように誘われたが斷っている。旅順攻囲戦に出陣、あくまでも敵兵を殺さないという父の言いつけを守った。その後、戦死した。尾形は父の殺害時、勇作の死因について「(二〇三高地にて)自分が(勇作の)後頭部を撃ち抜いた」と語った。 樺太の旅中、狙撃戦の疲れから発熱した尾形が頭部から血を流す勇作の幻覚を間近に見ている描寫がある。
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